大津中2いじめ自殺

いま読んでいるノンフィクションです。娘が生まれて間もなく福岡から大阪、京都、東京教室と龍笛レッスンを続ける傍ら、全国で起こっている事件の現場を訪ね歩き自分の中で事件の原因を探っていました。

大津の中学校や現場となったマンションにも訪れ自分なりに真相を突き止めたいと考えていました。世田谷一家殺人事件、足立区の女子高生コンクリート殺人事件の現場にも行きました。いったいこの日本で何が起こっているのでしょう。なぜ小学校を卒業して間もない子供たちがイジメにより命を落とさねばならないのでしょうか。

自分なりに思うことの一つは、まず教師が忙しいですね。あまりに多忙すぎて「教師は勉強を教えることが仕事なのに生徒のイジメにまで介入できない」と考えている教師もいるようです。評価主義でイジメ事案が起これば教師の評定が下がります。なるべく自分のクラスでは起こしたくない。無かったことにしたい。これは30年来変わらない学校というもののスタイルだと思います。根深いですね。

あと、親も忙しいですね。片親が増えています。離婚や未婚、子供への暴力や無関心、ネグレクト。親による痛ましい事件も増えました。核家族が増え、子供にかける愛情が圧倒的に足りないと感じています。地域の連帯も薄れ、他人に無関心にならざるを得ない。生活するだけでいっぱいいっぱいなんです。親に愛情をかけてもらっていない子供が大人になって親になり、負の連鎖が続いていく。その親が産んだ子がまた負の連鎖を作っていく。

最後に労働環境の悪化ですね。非正規雇用形態が増え、社員と同じように働いても給与は少なく保証もない体の良い日雇い労働者が増えています。お金が無くなるとゆとりもなくなり、子育てにかける時間も取れなくなります。いよいよこの国のシステムにも限界が来ていることを実感しています。医療機関にせよ一般の会社にせよとにかく余裕がないですね。コロナで海外に拠点を置いた企業も国内生産に切り替え新たな雇用を創出する流れになるでしょうから悪いことばかりでもないようです。原点回帰でよい方向に向かうことを期待しています。

大津中2いじめ事件。私も同じ年頃の娘を抱える一人の親です。子が死ぬくらいないなら学校を休ませる、ということも一つの選択です。偏差値偏重のクソ面白くもない世の中で、まったく違うベクトルに舵を切ってもよいのではないでしょうか。文科省は「学校に通わせる」という方針を「無理に行かなくてもよい」と考えを大きく転換しました。良かれと思い、教師が教え子の自宅まで迎えに行くものの生徒はその教師の行動が苦痛で自死するケースが増えたのです。「果たして学校に通うことだけが正しい道なのだろうか」大人は顧み始めました。これまでの「当たり前」の価値観が令和の時代に大きく変革するでしょう。このブログを読んでくれた未成年の皆さん、もし何か困ったことがあればいつでも私に相談してくださいね。