龍笛はスピリチュアル?

龍笛は怨霊を祓う楽器として有名ではありますが、私自身がそのような動機をもって始めたわけではなく、あくまで「親孝行の一環」として始めたものですから「祓う」という言葉に未だ持ってピンと来ません。

「親孝行の一環」とは、神職だった親の傍らで奏楽し、親孝行ができれば、という一心でした。いつの間にか雅楽部の部長になり、奈良県の社寺やヨーロッパの教会などで演奏しているうちに動機を忘れていました。雅楽そのものの魅力に惹かれたのでも何でもなくて親に喜んでもらいたくて。

ですのに教室を始めてみたら今までに出会ったことのないスピリチュアルの方々が生徒さんになり、「こんな人種がいたんだ」という驚き。幼い頃から「生まれ変わり」を親から聞かされていたものの本質的な「信仰心」とやらは未だに持っているのか疑問です。世は令和。「先生の音色は御霊を天上界に上げる」だの「場を浄化される」だの持ち上げられたら調子に乗って新興宗教でも開けるんちゃうか?

とはいえ、「政治家と宗教家になったら離婚するで」と豪語する家内。結婚時のお約束通り、普通の生活を楽しんでいます。でも普通って何だろう(笑)宗教を謳っていない珍しい雅楽団体ならではの素朴さってええやん。龍笛が祓う、とか祓わんとかどうかわかりませんがそれぞれがそれぞれに楽しかったらええんとちゃいますか。テキトーが一番。